2023年2月15日 更新

ほっとけない! 日本の食品ロスの現状

みなさんは日本でどれくらいの量の食品が捨てられているかご存じですか? 今回は、日本の食品ロスの現状と、食品ロスを減らすためにわたしたちが暮らしの中ですぐにはじめられることをご紹介します。

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1人あたりお茶碗1杯分の食品を毎日捨てている

食べ残し、売れ残りなど、まだ食べられるのに廃棄されてしまう「食品ロス」。
日本における食品ロスの量は、家庭から約247万トン、事業者から約275万トン。合わせるとなんと年間約522万トンもの食品ロスが発生しています※。この量は、毎日、大型トラック(10トン車)約1,430台分の食品を廃棄していることを意味します。もっとわかりやすく言うと、日本の国民全員が毎日、お茶碗約1杯分(約113g)の量の食品を捨てているということになるのです。

※農林水産省および環境省「令和2年度推計」
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過剰除去…野菜の皮や茎など食べられるところまで切って捨ててしまうこと。
直接廃棄…未開封のまま食べずに捨ててしまうこと。
食べ残し…料理を作りすぎたりして残すこと。

もったいないだけじゃない! 様々な問題を抱える食品ロス

食品ロスがなぜ問題なのか。それは単に食べ物を無駄にしていてもったいないということだけではありません。地球温暖化をはじめとする環境問題をはじめ、様々な問題につながっているのです。

食品ロスが地球温暖化の原因!?

世界の国々が最優先課題の一つとして挙げている地球温暖化。食料自給率の低い日本では、さまざまな食料を船や飛行機で輸入し、トラックなどで運搬しています。
流通段階でも、多くの資源やエネルギーが使われていますが、特に問題とされているのが焼却時。約8 割が水分と言われている食品廃棄物は、可燃ゴミとして燃やすとき、たくさんのエネルギーを使うとともに、二酸化炭素(CO2)を排出。この二酸化炭素が地球温暖化の大きな原因に。
さらに、焼却後の灰の埋め立てによる環境負荷も問題となっています。

まずは身近なことから。家庭でできる食品ロス削減!

食品ロスの約半数は家庭から。食品ロスを削減するためには、家庭での取り組みが欠かせません。また、家庭における消費支出のうち、食費は1/4以上を占めているため※、食品ロスを削減できれば家計の無駄を減らすことにも。ここでは、買い物のコツから、食品を無駄にしない保管のテクニックなどをご紹介します。

※総務省「家計調査(2021年)」

3つの「ない」を心がけて、無駄をなくそう

以下の食品を捨ててしまった理由からもわかるように、食品ロスを減らすには、「買いすぎない・作りすぎない・食べ残さない」が基本。簡単なことのようで、実はなかなかできていないこの3つ。いつも意識しておくことで、食品ロスを減らすための行動につながります。

【家庭で食品を捨ててしまう理由】
1位 食べきれなかった           57%
2位 傷ませてしまった           23%
3位 賞味期限・消費期限が切れていた    11%
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買い物は事前チェックを忘れずに!

食品ロスを減らすためのポイントとして重要なのが、買い物。必要以上の買い物は、食品ロスのもと。買い物前には、事前に冷蔵庫の中の食材やストックしてある食品をチェック。その上で、必要なものをリストアップして買い物へ行き、使いきれる量を購入。そうすることで、必要最低限の買い物に抑えられます。

冷蔵庫や食品棚を整理整頓。今ある食材をきちんと把握!

買い物の次に重要になってくるのが、食材の管理。 無駄なく、使いきるためにも、食材がどこに、どれくらいの量があるかわかるように保管しておくことが大事です。冷蔵庫の中も、食品棚も、それぞれ食材をカテゴリ分けし、グループごとに置く場所を決めておきましょう。

保存容器を使う場合は、中身が見えるものを。そうすることで、一目瞭然! 冷蔵庫の中では、早く食べたい料理や使いかけの食材は、目立つ場所に。

ちょっとしたことですが、整理整頓を心がければ、食材を気付かない間に傷ませることや、期限が切れているということが少なくなっていくはずです。
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【COLUMN】企業もさまざまな取り組みで、食品ロス削減

企業が積極的に取り組んでいる食品ロス削減。身近なところでは、スーパーやコンビニの陳列方法。多くの場合、棚の手前から期限の短いものが並べられています。すぐ使う、すぐ食べる食品は、手前から取るようにしましょう。手前に置かれて期限が迫っている商品には、値引きシールが貼られていることも。手前取りで賢く買い物をして、食品ロス削減に貢献。

また、外食で問題となっている食べ残しへの対策の1つには、最近見かけることが多くなった回転レーンが「まわらない」回転寿司店。注文の商品を握りたてで提供するシステムで食品ロス削減に。

お米業界でも、お米袋に表示する精米時期を「年月日」で表示していたものを、「22.04.上旬」といったように「年月旬」に変更。この表示への切り替えにより、食品ロス削減の効果が期待されています。
【参考】
◯消費者庁「食品ロス削減ガイドブック(令和4年度版)」
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/information/food_loss/pamphlet/
◯政府広報オンライン・暮らしに役立つ情報「今日からできる!家庭でできる食品ロス削減」
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201303/4.html
◯農林水産省Webサイト「食品ロスとは」
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/recycle/syoku_loss/161227_4.html
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編集部ISI | 761 view

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